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小麦製品(Wheat Products)
小麦製品(Wheat Products)と健康
「小麦製品(WheatProducts)」は、イネ科コムギ属に属する一年草である「小麦」を使って作られた食品です。米、トウモロコシに並ぶ世界三大穀物のひとつであり、私達人類の主食としてとても欠かせない食べ物です。
小麦と使った製品には、大別して二つあります。パンを焼く時に使用されるパン小麦と、マカロニやパスタを作る時に使用されるデュラムコムギ、マカロニコムギなどがあります。どちらも粉にして小麦粉として使い、様々な料理に加工されます。
小麦粉を使って作られた製品は、パンやうどん、ケーキ、パスタ、饅頭、ナンなど、とにかく形も作る行程も様々です。小麦はアルコールを作るときの材料にもなります。小麦から摂れるグルテンという物質からは、その粘りを利用したグルテンミートというものが作られます。
また小麦からは「ふすま」と呼ばれる小麦の糠がとれます。ふすまは栄養豊富であることがわかり、健康食品として注目されています。小麦の胚芽からは食用油をしぼることもできます。世界の食文化を豊かにしてくれているということで、世界三大穀物に選ばれたのもうなずけます。
日本では小麦よりも米が主流の文化でしたが、近年はホームベーカリーの普及により、自宅で製パンをする人も増えました。うどんも自宅で手打ち出来るのでとても人気です。日本の気候には小麦の栽培は難しいですが、この需要に応えられるように、生産者は日本で育つ小麦の開発に力を注いでいます。
小麦製品(Wheat Products)とは?
コムギ(小麦、英名Wheat、学名:Triticum aestivum)は、イネ科 コムギ属に属する一年草の植物。広義にはT. compactum (クラブコムギ) や T. durum (デュラムコムギ、マカロニコムギ) などコムギ属 (Triticum) 植物全般を指す。世界三大穀物の一つ。古くから栽培され、世界で最も生産量の多い穀物である。年間生産量は6億トン近くに及ぶ。
小麦は栽培時期等によって以下のように区別される。
播種時期 – 春小麦 秋小麦
粒の色 – 赤小麦 白小麦
粒の硬さ – 硬質小麦 中間小麦 軟質小麦
収穫された種子は粉にして小麦粉として使われる。小麦粉はパンやうどん、中華麺、菓子、パスタなどの原料となる。粒の硬さにより、生成される小麦粉の種類、用途が異なる。
一部のビールはコムギの麦芽から作られる。ウイスキーや工業用アルコールの原料にもなる。
品質が劣るものや製粉の際に出るふすまは家畜の飼料となる。
生物的分類
コムギ属 Triticum は、1小穂の稔実粒数、染色体数、ゲノム構成によって以下のように分けられる。
1粒系 (稔実粒数1、2n=14、ゲノムAA))
T. aegilopoides
T. thaoudar
T. monococcum (1粒コムギ)
2粒系 (稔実粒数2、2n=28、ゲノムAABB)
T. dicoccoides
T. dicoccum (2粒コムギ、エンマーコムギ)
T. pyromidale
T. orientale (コーランサンコムギ)
T. durum (デュラムコムギ、マカロニコムギ)
T. turgidum (リベットコムギ)
T. polonicum (ポーランドコムギ)
T. persicum (ペルシャコムギ)
普通系 (稔実粒数3~5、2n=42、ゲノムAABBDD)
T. aestivum (普通コムギ、パンコムギ)
T. spelta (スペルトコムギ)
T. compactum (クラブコムギ、密穂コムギ)
T. sphaerococcum (インド矮性コムギ)
T. maha (マカコムギ)
T. vavilovii (バビロビコムギ)
チモフェービ系 (稔実粒数2、2n=28、AAGG)
T. timopheevi
歴史
中央アジアのコーカサス地方から西アジアのイラン周辺が原産地と考えられている。1粒系コムギの栽培は1万5千年頃に始まった。その後1粒系コムギはクサビコムギAegilops sguarosaと交雑し2粒コムギになり、さらに紀元前5500年頃に2粒系コムギは野生種のタルホコムギA. squarrosaと交雑し、普通コムギT. aestivumが生まれたといわれる。普通コムギの栽培はメソポタミア地方で始まり、紀元前3000年にはヨーロッパやアフリカに伝えられた。
聖書の中にも頻繁に「麦」や「小麦」が登場し、重要な作物であったことがわかる。聖書の中で小麦が最初に登場するのは、最初の書である創世記(30章14節)である。
中国への小麦の伝来も文献などからシルクロードが開かれた紀元前1世紀頃(前漢)時代と考えるのが一般的であり、中国経由で伝来されたと考えられている日本でも約2000年前の遺跡から小麦が出土しており、伝わったのはそれから遠くない弥生時代であると考えられている。
品種等
ホクシン – 日本で最も広く栽培されている小麦品種。北海道において秋まき小麦として栽培されている。農林142号。
農林61号 – 日本の水田裏作栽培で最も多く栽培されている品種。品種登録は1943年(昭和18)と古いが、現在でも関東から九州地域での基幹品種である。佐賀県農試にて育成。
チクゴイズミ - 西日本を中心に多く栽培されている。農林61号などのこれまでの品種に比べアミロース含量が低い「低アミロース品種」で、柔らかくモチモチとした食感が特徴。九州沖縄農業研究センターが育成。
春よ恋 – パン用小麦品種。北海道において春まき小麦として栽培されている。日本で初めて葯培養により育種された小麦。ホクレン農業協同組合連合会が育成(唯一の民間による育成品種)。
さぬきの夢2000 – 讃岐うどんが名物となっている香川県が特産品の讃岐うどん用として開発した、製麺用の新品種。半数体育種法で作出されている。讃岐うどんのなめらかさ、粘り、かたさ(噛みごたえ)に最適化するため、チクゴイズミほど低アミロースにはしていない。香川県農業試験場が育成。
ASW(オーストラリアスタンダードホワイト) – 日本への輸入小麦の大半を占める、オーストラリアの製麺用小麦。日本へ輸出するために数種類をブレンドして、安定した高品質を確保している。
デュラム – パスタで用いられている、グルテン(蛋白質)の多い種(T. durum)。日本での栽培は難しく、ほとんどが輸入物。超硬質で黄色いのが特徴。
プライムハード(PH) -強力粉。パン等の原料。
ウエスタンホワイト(WW) -薄力粉。菓子・ケーキ用。通称ダブダブ。