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沸石(ふっせき、ゼオライト、zeolite)とは、天然に産する鉱物グループ。 アルミノケイ酸塩のなかで結晶構造中に比較的大きな空隙を持つものの総称でもあり、分子ふるい、イオン交換材料、触媒、吸着材料として利用される。現在では、さまざまな性質を持つ沸石が人工的に合成されており、工業的にも重要な物質となっている。 目次 1 成分・種類 2 産出地 3 性質・特徴 3.1 イオン交換能 3.2 吸着作用 4 用途・加工法 4.1 イオン交換材料 4.2 触媒 4.3 吸着材料 5 サイド・ストーリー 成分・種類 1997年、国際鉱物学連合(IMA)の小委員会により、以下のように整理された。 アミチ沸石 (amicite) - K4Na4[Al8Si8O32]・10H2O、単斜 方沸石 (analcime) - Na[AlSi2O6]・H2O、等軸・正方・斜方・単斜・三斜 バレル沸石 (barrerite) - Na2[Al2Si7O18]・6H2O、斜方 ベルベルヒ沸石 (bellbergite) - (K,Ba,Sr)2Sr2Ca2(Ca,Na)4[Al18Si18O72]・30H2O、六方 ビキタ沸石 (bikitaite) - Li[AlSi2O6]・H2O、単斜・三斜 ボッグス沸石 (boggsite) - Ca8Na3[Al19Si77O192]・70H2O、斜方 ブリュースター沸石 (brewsterite)(※系列名) - (Sr,Ba)2[Al4Si12O32]・10H2O、単斜・三斜 ストロンチウムブリュースター沸石 (brewsterite-Sr) 重土ブリュースター沸石 (brewsterite-Ba) 菱沸石 (chabazite)(※系列名)- (Ca0.5,Na,K)4[Al4Si8O24]・12H2O、三方・三斜 灰菱沸石 (chabazite-Ca) ソーダ菱沸石 (chabazite-Na) カリ菱沸石 (chabazite-K) キアヴェンナ石 (chiavennite) - CaMn[Be2Si5O13(OH)2]・2H2O、斜方 斜プチロル沸石 (clinoptilolite)(※系列名) - (Na,K,Ca0.5,Sr0.5,Ba0.5,Mg0.5)6[Al6Si30O72]・〜20H2O、単斜 カリ斜プチロル沸石 (clinoptilolite-K) ソーダ斜プチロル沸石 (clinoptilolite-Na) 灰斜プチロル沸石 (clinoptilolite-Ca) コウルス沸石 (cowlesite) - Ca[Al2Si3O10]・5.3H2O、斜方 ダキアルディ沸石 (dachiardite)(※系列名) - (Ca0.5,Na,K)4-5[Al4-5Si20-19O48]・13H2O、単斜 灰ダキアルディ沸石 (dachiardite-Ca) ソーダダキアルディ沸石 (dachiardite-Na) エディントン沸石 (edingtonite) - Ba[Al2Si3O10]・4H2O、斜方・正方 剥沸石 (epistilbite) - (Ca,Na2)[Al2Si4O12]・4H2O、単斜・三斜 エリオン沸石 (erionite)(※系列名) - K2(Na,Ca0.5)8[Al10Si26O72]・30H2O、六方 ソーダエリオン沸石 (erionite-Na) カリエリオン沸石 (erionite-K) 灰エリオン沸石 (erionite-Ca) フォージャス沸石(faujasite)(※系列名) - (Na,Ca0.5,Mg0.5,K)x[AlxSi12-xO24]・16H2O、等軸 曹達フォージャス沸石 (faujasite-Na) 灰フォージャス沸石 (faujasite-Ca) 苦土フォージャス沸石 (faujasite-Mg) フェリエ沸石 (ferrierite)(※系列名) - (K,Na,Mg0.5,Ca0.5)6[Al6Si30O72]・18H2O、斜方・単斜 苦土フェリエ沸石 (ferrierite-Mg) カリフェリエ沸石 (ferrierite-K) ソーダフェリエ沸石 (ferrierite-Na) ガロン沸石 (garronite) - NaCa2.5[Al6Si10O32]・14H2O、正方・斜方 ゴールト石 (gaultite) - Na4[Zn2Si7O18]・5H2O、斜方 ギスモンド沸石 (gismondine) - Ca[Al2Si2O8]・4.5H2O、単斜 グメリン沸石 (gmelinite)(※系列名) - (Na2,Ca,K2)4[Al8Si16O48]・22H2O、六方 ソーダグメリン沸石 (gmelinite-Na) 灰グメリン沸石 (gmelinite-Ca) カリグメリン沸石 (gmelinite-K) ゴビンス沸石 (gobbinsite) - Na5[Al5Si11O32]・12H2O、斜方 ゴナルド沸石 (gonnardite) - (Na,Ca)6-8[(Al,Si)20O40]・12H2O、正方 グーズクリーク沸石 (goosecreekite) - Ca[Al2Si6O16]・5H2O、単斜 ゴタルディ沸石 (gottardiite) - Na3Mg3Ca5[Al19Si117O272]・93H2O、斜方 重土十字沸石 (harmotome) - (Ba0.5,Ca0.5,K,Na)5[Al5Si11O32]・12H2O、単斜 輝沸石 (heulandite)(※系列名) - (Ca0.5,Sr0.5,Ba0.5,Mg0.5,Na,K)9[Al9Si27O72]・〜24H2O、単斜 灰輝沸石 (heulandite-Ca) ストロンチウム輝沸石 (heulandite-Sr) ソーダ輝沸石 (heulandite-Na) カリ輝沸石 (heulandite-K) シャンファ石 (hsianghualite) - Li2Ca3[Be3Si3O12]F2、等軸 カリボルサイト (kalborsite) - K6[Al4Si6O20]B(OH)4Cl、正方 濁沸石 (laumontite) - Ca4[Al8Si16O48]・18H2O、単斜 レビ沸石 (levyne)(※系列名)- (Ca0.5,Na,K)6[Al6Si12O36]・〜17H2O、三方 灰レビ沸石 (levyne-Ca) ソーダレビ沸石 (levyne-Na) ロヴダル石 (lovdarite) - K4Na12[Be8Si28O72]・18H2O、斜方 マリコパ石 (maricopaite) - (Pb7Ca2)[Al12Si36(O,OH)100]・n(H2O,OH), n〜32、斜方 マッシィ沸石 (mazzite) - (Mg2.5K2Ca1.5)[Al10Si26O72]・30H2O、六方 メルリーノ沸石 (merlinoite) - K5Ca2[Al9Si23O64]・22H2O、斜方 中沸石 (mesolite) - Na16Ca16[Al48Si72O240]・64H2O、斜方 モンテソンマ沸石 (montesommaite) - K9[Al9Si23O64]・10H2O、斜方 モルデン沸石 (mordenite) - (Na2,Ca,K2)4[Al8Si40O96]・28H2O、斜方 ムティーナ沸石 (mutinaite) - Na3Ca4[Al11Si85O192]・60H2O、斜方 ソーダ沸石 (natrolite) - Na2[Al2Si3O10]・2H2O、斜方 オフレ沸石 (offretite) - CaKMg[Al5Si13O36]・16H2O、六方 パハサパ石 (pahasapaite) - (Ca5.5Li3.6K1.2Na0.2□13.5)Li8[Be24P24O96]・38H2O、等軸 パルテ沸石 (partheite) - Ca2[Al4Si4O15(OH)2]・4H2O、単斜 ポーリン沸石 (paulingite)(※系列名) - (K,Ca0.5,Na,Ba0.5)10[Al10Si32O84]・27-44H2O、等軸 曹達ポーリング沸石 (paulingite-Na) カリポーリング沸石 (paulingite-K) カルシウムポーリング沸石 (paulingite-Ca) パーリアル沸石 (perlialite) - K9Na(Ca,Sr)[Al12Si24O72]・15H2O、六方 十字沸石 (phillipsite)(※系列名) - (K,Na,Ca0.5,Ba0.5)x[AlxSi16-xO32]・12H2O、単斜 ソーダ十字沸石 (phillipsite-Na) カリ十字沸石 (phillipsite-K) 灰十字沸石 (phillipsite-Ca) ポルクス石 (pollucite) - (Cs,Na)[AlSi2O6]・nH2O, where (Cs+n)=1、等軸 ロッジァン石 (roggianite) - Ca2[Be(OH)2Al2Si4O13]・<2.5H2O、正方 スコレス沸石 (scolecite) - Ca[Al2Si3O10]・3H2O、単斜 ステラ沸石 (stellerite) - Ca[Al2Si7O18]・7H2O、斜方 束沸石 (stilbite)(※系列名) - (Ca0.5,Na,K)9[Al9Si27O72]・28H2O、単斜 灰束沸石 (stilbite-Ca) ソーダ束沸石 (stilbite-Na) テラノヴァ沸石 (terranovaite) - NaCa[Al3Si17O40]・>7H2O、斜方 トムソン沸石 (thomsonite) - Ca2Na[Al5Si5O20]・6H2O、斜方 ツァーニック沸石 (tschernichite) - Ca[Al2Si6O16]・〜8H2O、正方 ツョルトナー沸石 (tschortnerite) - Ca4(K2,Ca,Sr,Ba)3Cu3(OH)8[Al12Si12O48]・nH2O, n〜20、等軸 ワイラケ沸石 (wairakite) - Ca[Al2Si4O12]・2H2O、単斜・正方 ヴァイネベーネ石 (weinebeneite) - Ca[Be3(PO4)2(OH)2]・4H2O、単斜 ウィルヘンダーソン沸石 (willhendersonite) - KxCa(1.5-0.5x)[Al3Si3O12]・5H2O, where 0<x<1、三斜 湯河原沸石 (yugawaralite) - Ca[Al2Si6O16]・4H2O、単斜・三斜 産出地 微細なものも含めると、沸石は火成岩、堆積岩、変成岩のすべてにおいて非常に多様な岩石に含まれている。 沸石水として結晶の中に水がたくさん含まれていることからわかるように、産出する環境は水に富んでいることが多い。また、概して沸石は - 100℃程度の比較的低温の熱水から晶出する。 そのような地質環境が実現する主な場所としては、溶岩と水が相互作用する場所(温泉地帯、枕状溶岩など)や、ペグマタイト鉱床での末期の生成物、さらには岩石の隙間に地下水が浸入する場所、などが挙げられる。 特に溶岩と水が相互作用する場所では、大きな晶洞が生じやすく、良質で美しい鉱物標本を多産することがある(インドのデカン高原など)。 性質・特徴 イオン交換能 沸石は二酸化ケイ素からなる骨格を基本とし、一部のケイ素がアルミニウムに置き換わることによって結晶格子全体が負に帯電している。そのため、微細孔内にナトリウムなどのカチオンを含み、電荷のバランスを取っている。粉末状にした沸石を別の種類のカチオンを含んだ水溶液中に入れると、細孔内と水溶液中でイオン交換・吸着が起こる。この交換反応は可逆的であり、時間がたつと飽和して平衡状態となる。カリウムやセシウムもカチオンなので、沸石によってイオン交換・吸着される。 沸石の陽イオン交換優先順位は下記の通り[要出典]。セシウム (Cs) やストロンチウム (Sr) など有害物質の交換順位が高い。 Cs > Rb > K > NH4 > Ba > Sr > Na > Ca > Fe > Al > Mg > Li 吸着作用 沸石は、液体の中において、微細孔内の水分子を放出し、かわりに毒素・アンモニア等を吸着することができる。そのため、有機溶媒の脱水や湿度調節に用いられる。 用途・加工法 最近では、福島第一原子力発電所事故の放射能汚染水処理に使用されている。また、ヒトがゼオライトを含有する液体飲料を飲むと放射性物質を吸着し体外に排出すると謳い販売した業者が薬事法違反および無許可商品を輸入販売したとして逮捕された。ゼオライトに日本においては、薬事法上、放射性物質を体外除去する薬理効果は認められておらず、薬事法違反に抵触し検挙された者も存在する。 ゼオライトそのものやそれを含有する液体飲料を使い、チェルノブイリ後の東ヨーロッパで放射性物質を吸着し体外に排出する動物実験が数多く行われ有効な成果を挙げているという査読系学術誌の学術論文は存在せず、恣意的に肯定的な結果のみが選別、発表されている事が煽られ謳われており、エビデンスや医学的科学的論拠に乏しい。そもそも、水溶しない物質が細胞内に取り込まれている物質を吸着することは不可能。 イオン交換材料 ゼオライトは上述のイオン交換能をもつため水質改良剤として用いられる。例えば、水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンをゼオライト中のナトリウムイオンと置きかえることで水の硬度を下げることができるので、衣類用の洗剤などに含まれている(「水軟化剤」等と記載されている)。また微細孔内に植物の生育に必要なカチオンを保持するため、陽イオン交換容量を増す土壌改良剤としても用いられる。 触媒 ゼオライトはその細孔内に選択的に分子を取り込み、反応させることができるため、触媒として多方面に利用されている。例えばZSM-5という合成ゼオライトを用いることでメタノールからガソリンを合成することに成功している。また、ディーゼル排気中に含まれるNOxを分解・除去するための触媒としても期待されている。 吸着材料 ゼオライトは微細孔内に水分子を吸着し、また放出することができるため、有機溶媒の脱水や湿度調節に用いられる。また水分子のほかにホルムアルデヒドなどの気体分子を吸着するとされるため、消臭や、シックハウス症候群を防止する目的にも期待されているが現時点では臨床例のみで科学的に有効なデータを示す学術論文は存在しない。 サイド・ストーリー ゼオライトという名称は、成分に含まれている水とアルミノケイ酸骨格との結びつきが弱いため、加熱すると容易に水を分離して沸騰しているように見え、このことからギリシャ語の zeo(沸騰する)と lithos(石)を合わせて名付けられた。 ゼオライト 3 [zeolite] (1)沸石(ふつせき)のこと。 (2)ケイ酸質イオン交換体の総称。1907年ドイツのガンスが沸石(ふつせき)類似の物質を合成し、パームチットと呼んだ。カルシウムやマグネシウムのイオンを取り込むので硬水の軟化に利用されていた。最近では分子ふるい(モレキュラーシーブ)や、洗剤の洗浄力を高めるために用いられている。 索引トップ用語の索引ランキング 新語時事用語辞典 ゼオライト 別名:沸石、沸石類 英語:zeolite 表面に多数の微細な孔を持つ鉱物。天然に採れる鉱物で、アルミニウムが採取できる「アルミノケイ酸塩」の一種である。 ゼオライトが持つ微細な穴は水分子を吸着する。加熱によって水分子を分離し、あたかも沸騰したような様子を見せることから、沸石という名称がつけられている。 ゼオライトは水分子の他にも、窒素酸化物やホルムアルデヒド(酸化メチレン)などの有毒物質や悪臭の原因物質などを吸着する効果があるとされ、触媒などとして多く利用されている。自動車のマフラーに組み込まれたり、猫砂などとしても利用される。 2011年3月に原発事故が発生した東京電力福島第一原子力発電所では、2011年4月に至ってもなお深刻な状況が続いており、冷却作業のため低レベルの汚染水を海中に廃棄することを余儀なくされている。4日16日現在、仙台市青葉区で採れる天然ゼオライトに放射性セシウムを吸着する効果が認められたことから、急遽「シルトフェンス」と共に原発沿岸の海に投入されることが決定した。 また、2011年4月29日には、シルトフェンスによって拡散の抑止が図られている「海の汚染水」に対して、ゼオライトを使用した「循環装置」を5月にも設置し、汚染水の処理を進めることが発表されている。 IT用語辞典バイナリ ゼオライト 【英】Zeolite ゼオライトとは、分子サイズの細孔を持つ結晶性アルミノケイ酸塩の総称である。ケイ素(Si)とアルミニウム(Al)が酸素を媒介することによって結合された構造をしており、その骨格中には分子レベルの穴(細孔)が開いている。この穴によって、水や有機分子のような様々な分子を吸着作用によって骨格中に取り込むことができる。 ゼオライト Zeolite 種々の火成岩中に含まれる鉱物の一種。 吸着剤や分子のふるいなどに用いられる。沸石とも言う。 銅をイオン交換により組み込み、ディーゼルエンジンの触媒として使用可能となるが、還元率が低く、使用温度範囲が狭いなど、現時点では技術的課題が多い。 |
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