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ビタミンA(A Vitamins)
ビタミンA(Vitamin A) とは、レチノール (Retinol、ビタミンAアルコールとも呼ばれる)、レチナール (Retinal、ビタミンAアルデヒドとも) 、レチノイン酸 (Retinoic Acid、ビタミンA酸とも)(これらをビタミンA1と呼ぶ) およびこれらの3-デヒドロ体(ビタミンA2と呼ぶ)と、その誘導体の総称で、ビタミンの中の脂溶性ビタミンに分類される。化学的にはレチノイドと呼ばれる。狭義にはレチノールのみを指してビタミンAと呼ぶこともある。ビタミンAは動物にのみに見られる。なお、β-カロテンなど、動物体内においてビタミンAに変換されるものを総称してプロビタミンAと呼ぶ。プロビタミンAは動植物ともに見られる。 ヒト中のビタミンAはほとんどがレチノールである。血中濃度は通常0.5μg/ml程度で、0.3μg/mlを切るとビタミンA欠乏状を呈する。 β-カロテンが体内で、の吸収上皮細胞(あるいは、)において分解されてビタミン A になる。レチノイドの名前が網膜 (retina) に由来するように、網膜細胞の保護に用いられ、欠乏すると夜盲などの状を生じる。また、DNAの遺伝子情報の制御にも用いられる。 人体においては、眼球の網膜上にある視細胞のうち、薄明視に重要な桿状体細胞において、桿体オプシン(蛋白質)とリシン残基を介して結合し、ロドプシンとなる。ビタミンAはロドプシンの発色団となる。ロドプシンは視色素と呼ばれる一群の物質の一つで、視細胞における、光による興奮(視興奮)の引き金機構として重要な物質である。 物性(レチノール) 分子量 286.46 紫外線吸収極大 325nm 蛍光波長 励起325nm 蛍光470nm 水に不溶。 酸化を受けやすい。 乾燥、高温で壊れる。 アルカリ条件下では比較的安定 ビタミンEなどの剤共存下では安定度を増す。 一日の所要量 単位としては、国際単位(IU)を用いる。ビタミンAの国際単位はレチノール0.33μg/mlを 1IU とする。β-カロテンの場合、生体内におけるレチノールへの変換の際の収率が質量比で 1/2 であり、また、消化吸収率がレチノールの 1/3 になるため、β-カロテン6μgがレチノール1μgに相当する。なお、レチノール当量(RE)という表記もあり、この場合、1IU = 0.33μgREとなる。 多く含む食品 いずれも表記は100gあたり。 肝油 バター 有塩バターで1600IU 牛乳 120IU チーズ プロセスチーズで850IU 卵 鶏卵で460IU 強化マーガリン ソフトタイプのJIS上級マーガリンで5500IU 緑黄色野菜 例として、ほうれん草生葉で、2100IU レバー 豚レバーで39000IU ウナギ 蒲焼で4500IU 日本人におけるビタミンAの供給源の構成は、緑黄色野菜50%、肉類15%、魚介・乳類10%、卵類10%。 摂取時の注意 色の濃い野菜、例えば、人参、ピーマン、ほうれん草、かぼちゃを取る。 ビタミンAは高温において酸化・分解を受けやすく、また、油脂に溶ける性質がある。 「油を利用して調理したほうが摂取の効率がよく、短時間で調理できるバター炒めは良い調理法」と広く知れ渡っている。人参などは「植物中にあるビタミンAが調理中に添加された油にほとんど溶けることはなく、単純に茹でて調理したほうが、植物細胞壁を壊しもともとの植物中にある油脂(脂質)分と混ざり合って摂取効率がよい」との説もある(NHK[ためしてガッテン]2005年3月9日放送「にんじん!健康神話の大誤解」参照)。 後述の医薬品を服用するなどで大量のビタミンAが体内に蓄積された場合、過剰摂取による影響心配される。なお、β-カロチンには過剰摂取による障害がない。 生化学 β-カロテンはに存在するβ-カロテン-1515'-ジオキシゲナーゼ(EC 1.14.99.36(EC.1.13.11.21))の作用によりレチナールに変換される。 EC 1.14.99.36 b-carotene + O2 = 2 retinal 生体内において、レチナールはレチノールデヒドロゲナーゼ(EC.1.1.1.105)の作用により多くはレチノールに還元された状態で存在している(可逆反応)。また、レチナールオキシダーゼ(EC.1.2.3.11)によりレチノイン酸へと代謝(不可逆な反応)される。 EC.1.1.1.105 retinol + NAD+ = retinal + NADH + H+ EC.1.2.3.11 retinal + O2 + H2O = retinoate + H2O2 レチノールは、中にパルミチン酸エステルの形で貯蔵され、必要に応じて遊離する。遊離したレチノールはレチノール結合蛋白質(RBP)と結合し、さらにトランスサイレチン(プレアルブミン・TTR)と複合体を形成して中を流通する。なお、生理作用の発現においては、レチノールよりもその代謝産物であるレチナールあるいはレチノイン酸が重要であるといわれている。
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