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クロスグリ(黒酸塊、別名クロフサスグリ、英名ブラックカラント (Blackcurrant)、学名 Ribes nigrum)は、小さな食用の果実をつける温帯性の落葉低木。カシス(英語 Cassis)とも呼ばれる。果実は黒に近い濃紫色で、ビタミンCやアントシアニンが豊富。他のスグリの仲間と同じく、スグリ科スグリ属に分類される。 日本国内では青森県が主な産地となっている。 利用法 クロスグリの実はかすかな苦味をもち、ゼリー、ジャム、アイスクリーム、コーディアル、リキュールなどに利用される。イギリス、ヨーロッパ、イギリス連邦諸国では、クロスグリの風味を加えたり、干した果実を加えたクッキーなどの菓子が多数存在する。しかし、同じブランドの製品でも北アメリカでは、この風味が取り除かれていることが多く、代わりに利用しやすいぶどう味が使用されている。 また、クロスグリを使った飲み物は様々なものが販売されているが、国によって呼び方が異なる。 酒場では、クロスグリのコーディアルは単に「ブラック」と呼ばれる。例えば、「ウォッカ・アンド・ブラック」「スネークバイト・アンド・ブラック」「ペルノ・アンド・ブラック」「ブラック・アンド・レモネード」など。 北アメリカでは、クロスグリのコーディアルを「クレーム・ド・カシス (creme de cassis)」と呼ぶ。 イギリスやフランスでは、「キール」などで用いるクロスグリのリキュールを「クレーム・ド・カシス」と呼ぶ。 オランダでは、赤い色のクロスグリ味のソフトドリンクをカシスと呼ぶ。 イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、香港などでは、クロスグリのコーディアルは「ライビーナ」という商品名(スグリ属の学名 Ribes にちなむ)で、もっぱら子供向けの(すごく甘いが)「健康飲料」として販売されている。 豆知識 果実以外の植物の性質はフサスグリにとても似ているが、両者は明確に見分けることができる。クロスグリの葉や茎は、「ネコのおしっこ」を思わせる強烈な臭いがする。葉芽からこの臭いのする精油が得られて香水などにアクセントとして使用されている。この臭いの本体は4-メトキシ-2-メチル-2-ブタンチオールという化合物である。 4-メトキシ-2-メチル-2-ブタンチオールの構造式クロスグリのタネの油は、必須脂肪酸であるγ-リノール酸 (GLA) を多量に含む。 アメリカ合衆国では、20世紀まではクロスグリが広く栽培されていたが、1900年代初頭に、材木産業にとって重要なゴヨウマツ亜属(マツの分類を参照)のマツに五葉松類発疹さび(White Pine Blister Rust)を広げる可能性があるという理由によって、すぐりの栽培は禁止された。連邦政府によるすぐりの栽培禁止令は1966年に廃止され、バーモント州、ニューヨーク州、コネティカット州、オレゴン州などですぐり栽培が再び盛んになってきたが、現在でもマサチューセッツ州、メイン州、ニューハンプシャー州などではすぐりの栽培が禁止されている。合衆国におけるすぐりの認知度はいまだ低く、禁止令以前のレベルや欧州ほど一般的にはなっていない。 アガサ・クリスティの創作したベルギー人の名探偵エルキュール・ポアロは、しばしばクロスグリのシロップを飲んでいる。